~とは限らない、~わけではない、~ないことはない という三つ文法の使い方が違いますか。 教えていただけませんか。
3つの言い方には、以下のような違いがあります。
1.~とは限らない
「~とは断定できない。~とは決まっていない。」という意味です。例:必ず勝つとは限らない。」
2.~わけではない
・ 聞き手が当然のことと予想することや結論を否定する。「予想に反して…だ。」という意味をもたせる。例:「英語が分かるわけではないが、英語の映画をみるのが好きだ」
・ 事実として提示し、言いたいことの根拠とする。例:「もう間に合うわけではないから、ゆっくり行こうよ。」
3.~ないことはない
・ 二重否定で肯定の意味を和らげたり強めたりする。「ないわけではない」「ないではない」「なくはない」と同じ使い方をします。例:「反対意見がないことはない。」
3つの言い方の違いを次の例でみてみましょう。AさんとBさんが、激しく言い合っています。あなたは、これはケンカかな、と思いましたが、それを見ていたCさんが次のように言いました。
・「これはケンカとは限らない」=ケンカと決めつけることはできない(断定はできないよ。)
・「これはけんかというわけではない。」=ケンカに見えるかもしれないが、ケンカではないよ。ただし「これはケンカでないというわけではない。」というと、「ケンカに見えないかもしれないが、これはケンカだよ。」という意味で、それに、だから何とかしないといけない、というニュアンスをもたせます。
・「これはケンカでないことはない」=「これはケンカだよ。」というのを少し柔らかく言うことになります。
3つの言い方の違いが少し明確になりましたか?
1.~とは限らない(以下は例文です)
・新聞に書いてあることが真実とは限らない。
・力士がみんな太っているとは限らない。
2.~わけではない(以下は例文です)
・Aさんは飲み会が好きだが、お酒が好きなわけではない。
・Aさんは日本に20年住んでいるが、日本語が上手なわけではない。
3.~ないことはない(以下は例文です)
・食べられないことはないけど、賞味期限が切れているのでやめておいた方がいいです。
・できないこともないですけど、少し時間をいただきたいです。