レベル名: 断りの表現

かねる

A:こちらの新規事業については、いかがいたしましょうか。

B:先日ご提案いただいたものですね。私の一存では決めかねるので、現在、社内で検討しているところです。

会話の内容から、取引先と新規事業について打ち合わせをしている場面であることが分かります。「私の一存」とは、「私一人の考え」という意味です。「かねる」は「(しようとしても)できない」という意味の改まった表現です。「決めかねる」の形で「決めることができない」という意味になります。「決めかねない」は「決めてしまう可能性がある」という意味になるので注意が必要です。

いたしかねる

A:20日の午前中に注文した商品を納品していただきたいのですが、可能でしょうか。

B:ご希望日に納品いたしかねますが、その2日後の午前中であれば納品可能です。

「いたしかねます」は、「することが難しい」「することができない」という意味です。「いたす」は「する」、「かねる」は「何らかの事情によってできない」という意味があり、「いたしかねます」は、依頼されたことを何らかの事情によって断ることを丁寧に表現した言い方です。

ご意向に添えず(ごいこうにそえず)

A:お世話になっております。コスモス株式会社営業部の桜井です。今後のスケジュールのご報告のため、来週にでも貴社にお伺いしてお打ち合わせをいただければと思っております。当方といたしましては、9月15日でご都合のいい時間をご連絡いただければ幸いです。何卒宜しくお願い致します。

B:お世話になっております、木本です。ご指定いただいた日程があいにく別件で埋まっております。翌週9月20日はご都合いかがでしょうか。ご意向に沿えず誠に申し訳ございませんが、ご検討いただければ幸いです。

「ご意向に沿えず」は、「相手の要望に応えることができない。」を丁寧に表現した言葉です。ビジネスの場面でお客様や意見、問い合わせに対して同意しかねる際に使う断り方の一つで、「ご期待に沿えず」と同じ意味を持ちます。また、「ご希望に沿えず」に続けて「申し訳ありません。」と表現することが多いです。